【建設業界従事者のデジタルツール意識調査】デジタル未対応による将来の仕事への不安がある方は63.4%
建設DXに取り組む野原グループの野原ホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:野原弘輔)は、建設業界従事者1000人への「建設DXに対する意識調査(2023/4/6)」に続き、「デジタルツールに対する意識調査」の結果を発表します。
建設業界従事者1000人への「建設業界イメージ調査(2023/3/14)」において、「人手不足」「高齢化による技術継承」が業界課題として顕在化しています。今回は、その課題の解決策の一つともいわれる「デジタルツール」に関する調査結果から、業界の未来像を考察します。(調査結果の詳細は、別紙を参照願います。)
調査実施概要 | |
調査期間:2023年2月15日~2月22日 | 回答数:1,000名 |
調査対象者:全国の建設業界従事者 | 調査方法:インターネット調査(ゼネラルリサーチ株式会社) |
調査結果について
サマリー
- デジタル化に対応できないと将来仕事が減るという不安がある方は、全体の63.4%。この結果から、デジタル対応が必要であることは建設業界従事者においても認識されているが、BIMを実際に使用している方は全体の36.2%との結果と併せて考察すると、不安がある一方でデジタルツールの導入は進んでいないという矛盾・ジレンマもうかがえる。
- 「使いこなすことができればよいと思うデジタル技術(機器・ツール)」の第1位は設計補助ツール(BIM)との結果から、BIMの活用が、人材の確保や収益性の改善など、誰にとっても魅力的な建設業界への切り札として期待されている一面もうかがえる。
- デジタル化を進めて欲しい業務は多く、人手不足解消、業務効率化、ミス軽減、などへの期待の声が背景にある。
トピックス
- 「デジタル化に対応できないと将来仕事が減るのでは、という不安」がある方は全体の63.4%で、デジタル対応が必要であることは、建設業界従事者においても認識されていると推測できます。特に、管理職は強い危機感を持っていることが分かりました。※規模別、業種別の結果は別紙参照
- .使いこなせるとよいと思うデジタル技術(機器・ツール)の1位「設計補助ツール(BIM)(246人)」でしたが、実際に使用している建設業界従事者は、全体の36.2%にとどまりました。
- デジタル化で生産性向上に繋がる業務の上位5位は、図面作成、施工管理、積算関連業務でした。
その理由として業務効率化、人為的ミス軽減、人手不足解消、などへの期待が上がりました。6位の「その業務がアナログのままだとシステム導入やデジタル化が進まないから(22.7%)」も、業界全体でDXを加速させる上では注目したい結果と言えます。※複数回答デジタル化で生産性向上に繋がると思う業務 「デジタル化で生産性向上に繋がると思う業務」に選んだ理由 1位 図面作成(43.9%) 作業時間がかかるから(47.0%12 2位 施工管理(41.0%) 人為的ミスを誘発しやすいから(45.7%) 3位 積算(38.8%) 作業負荷が高く手間がかかるから(38.6%) 4位 積算のための拾い業務(36.2%) 人材不足を補えるから(25.2%) 5位 設計工程(32.9%) 建材発注など後工程にも影響するから(24.2%)
野原グループ CDO(最高デジタル責任者) 山﨑芳治より|調査結果について
“ BIMが「使いこなすことができればよいと思うデジタル技術(機器・ツール)」の1位に選ばれています。業界内のBIM活用は、まだまだ始まったばかりです。”
私は、「次の時代の建設業界へのアップデート」、「サプライチェ―ン変革」をゴールとすると、BIMなしにはその実現が難しいと考えています。業界が一丸となって、BIMデータを使って設計から施工、維持管理までのプロセス全体をつなぎ、そのデータを利活用して各工程のプロセスを楽にする仕組みを作り上げていかなければなりません。
その意味で、今回の調査結果で、業界最大の課題に対する解決策として、BIMを活用できるようになりたいという声が多かったことを素直に喜びたいと思います。(トピック2)。
弊社は、2017年からBIM事業を開始しています。そして、「建設業界のアップデート」の実現にむけ、BIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp(ビルドアップ)」を主軸に建設DX推進事業を展開しています。愚直にBIM本来の活用を実践していけば、10年後には、働き方もプロジェクトの進め方も生産性も変わっている「アップデートした建設業界」を実現できると確信しています。
ぜひ、我々と一緒に「次の時代の建設業界」を作り上げていきましょう。
以上
BIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp」について
「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計事務所やゼネコンが作成したBIM設計データをより詳細なデータに置き換え、各建設工程で必要なデータとして利活用し建設工程全体の生産性向上を実現するクラウドサービスです。設計積算から生産・流通・施工管理・維持管理までをBIMでつなぐ複数のサービスにより、各プレイヤーに合わせたサービスを提供します。設計・施工の手間・手戻りをなくし、生産・流通を最適化して、コスト削減と廃棄物・CO2削減に貢献します。
「BuildApp」は、建設サプライチェーンの抜本的な効率化と未来へ繋がる成長をサポートし、皆さまと一緒に建設業界をアップデートしていきます。【WEB】https://build-app.jp/
参考
- BIM(ビム/Building Information Modelingの略称)とは
建築物のデジタルモデルに、部材やコストなど多様な属性データを追加した建築物のデータベースを持たせ、設計・施工・維持管理の各プロセスを横断して活用するためのソリューションです。
野原グループでは、2017年よりBIM事業に注力しています。
関連リンク
調査結果(過去に発表したものを含む)
- 【建設業界従事者の建設DX意識調査】進まぬデジタル化の実態は「施工・専門工事」「施工管理」にあり(2023/4/6)
- 【建設業界従事者の業界イメージ調査】建設業界人が思う最も深刻な課題は「人手不足」56.5%(2023/3/14)
- 【大学生の業界イメージ調査】建設業界への志望意向は15.6%、BIMの認知薄く業界と格差(2023/2/28)
- 【建設DX実態調査】建設DXの推進はパートナーとの連携がカギ(2022/10/28)
- <建設DX実態調査)競合のデジタル化が自社のDX推進の起爆剤に(2022/9/30)
- <建設DX実態調査>建設DXのカギは、DX推進部門との関係性強化とBIM利用(2022/8/30)
- <建設DX実態調査>図面のデジタル化は建設プロセス全体に影響、多用途でのニーズが判明(2021/9/9)
- <建設DX実態調査>業界全体のデジタル化は進行、プロセス別では格差も(2021/8/23)
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