地域の健康拠点の増築工事に、先進建築手法とデジタル技術を採用し工期短縮
BuildAppで建設DXに取り組む野原グループ株式会社(所在:東京都新宿区、代表取締役社長:野原弘輔)は、医療法人社団 新虎の門会酒々井虎の門クリニック(所在:千葉県印旛郡酒々井町院長:大前利道)を発注者とする「健診棟増築工事」において、自社のリノベーションカンパニーが株式会社古谷野工務店(所在:東京都板橋区、代表取締役:古谷野 裕一)および一般社団法人日本CFS建築協会(所在:東京都豊島区、代表理事:脇田 健裕)とともに、医療施設建築に、DfMA の思想を汲む先進建築手法である「モジュール建築」の一つである「CFS建築」を採用しました。
これにより、建設現場の省人化・省施工が進み、在来工法 に比べ約2ヶ月の工期短縮を実現する見込みであることをお知らせします。廃材やCO2排出の削減など環境配慮も同時に実現いたします。
健診棟増築工事における新たな取組み
本取組みの主な背景
- 建設産業の就業者数の激減(人手不足)と高齢化
- 建設の2024年問題(2024年4月から、建設業にも時間外労働時間の上限が適用される)
- 上記を踏まえ、建設の品質と生産性が両立に向けた建設産業の生産性向上とサプライチェーンの変革が急務(特に、医療施設は医療提供の場として地域の健康を支える拠点として重要であり、新設・改修・建て替えのいずれにおいても、建設の質とスピードが求められる)
健診棟増築工事の概要
医療法人社団 新虎の門会酒々井虎の門クリニックは、千葉県印旛郡酒々井町にて開業以降、外来と健診を柱とし、治療と予防医療を展開しています。今回増築する健診棟は、過疎地域の住民の健康を担う拠点として、病院と同等の医療機器の導入を決定しています。
所在 | 千葉県印旛郡酒々井町 |
発注者 | 医療法人社団 新虎の門会酒々井虎の門クリニック |
発注者支援 | 日揮株式会社 |
工事請負 |
株式会社古谷野工務店
|
工期(予定) | 2023年7月~2024年5月 |
その他 |
|
本取組みで採用した、先進建築手法とデジタル技術とは
- 【先進建築手法】CFS建築の採用(壁・床)で、在来工法にくらべ約2ヶ月の工期短縮見込み
CFS建築は、CFS(Cold-Formed Steelの略)と言われる板厚約0.8~6.0mmの冷間成形薄板形鋼を構造部材として使用する新しい建築工法を指します。
モジュール建築 の一つで、プレファブリケーション建築 に含まれます。
【参考】CFS建築の詳細は、一般社団法人日本CFS建築協会のウェブサイトをご確認ください。▼CFS建築の主な利点
CFS建築は、次の通りの利点があり、工期と品質の両立を実現しやすい先進建築手法と言われています。- 建設現場の省人化・省施工が進み、環境配慮も同時に実現
- 工事現場での造作が限りなく少ないため、作業員による仕上がりのバラツキをなくせる
- 壁内結露を原因とする木材の腐朽やカビの発生とこれによる室内環境の汚染の心配が少ない(健診棟の利用者の安心)
- 【デジタル技術】工事の企画段階におけるデジタル技術の活用で関係者の合意形成を円滑かつ迅速化
健診棟の完成イメージの合意には、仮想竣工したBIM モデルを活用しました。
BIMモデルは3Dで立体的に目視確認できるので、関係者全員で外観や内装、動線を含む完成イメージを共有・確認しやすい利点があります。▼医療建設の企画段階におけるBIMの有用性
従来の課題 BIMの有用性 医療関係者と建設関係者間のギャップによる合意形成の難しさ- 医療関係者は多忙なことが多く、建設の企画に十分な時間を確保できにくい一方で、医療機器の配置、看護動線などを熟考が必要な項目が多岐にわたるうえ、建設図書(図面など)の見方には慣れていない。
- 建設関係者は、建設の専門知識はあるが、医療機器の配置、看護動線などについては医療関係者の要望なしには企画が難しい。
建設イメージを3Dで立体的に目視確認できるため、医療関係者と建設関係者間のギャップを埋め、合意形成を容易にする- 医療関係者は建設図書(図面など)よりも分かりやすい3Dモデル(仮想竣工したBIMモデル)で、医療機器の配置、看護動線などを確認できる。
- 建設関係者はパソコンがあれば、企画会議の場で医療関係者からの要望をその場でBIMモデル上に再現・可視化できるため、医療関係者の建設イメージを具現化しやすい。
実際、医療法人社団 新虎の門会酒々井虎の門クリニックの健診棟増築工事では、定例の企画会議(月1回の開催)でのモノギメが次回に繰越されることはほぼなく、迅速な合意形成・企画内容の確定が実現し、着工までのプロセスを円滑に進めることできました。
リノベーションカンパニーと医療建築
2021年3月、先進建築手法であるモジュール建築(建築材料・家具などの規格化された組み立てユニットを用いた建築手法)を取り入れた、国内医療業界向け「モジュラーホスピタルルーム」の設計プランを発売しています。
今後の展開
野原グループ株式会社は「建設DXで、社会を変えていく」新方針のもと、デジタル技術 や先進建築手法を取り入れ 、建設DX推進事業「BuildApp(ビルドアップ)」に注力しています。
特に、リノベーションカンパニーは、「BuildApp(ビルドアップ)」において、維持管理(改修市場)のプロセス変革に挑戦しています。
私たちは、本取組みを皮切りに、今後も革新的な技術と関係者の協力のもと、医療従事者・地域住民・医療施設の利用者のそれぞれにとって利点のある医療環境を実現するため、建設DXで医療建設プロセスのアップデートを目指します。
BIM設計-製造-施工支援プラットフォーム「BuildApp」について ※登録商標取得済み
「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計事務所やゼネコンが作成したBIM設計データをより詳細なデータに置き換え、各建設工程で必要なデータとして利活用し建設工程全体の生産性向上を実現するクラウドサービスです。設計積算から生産・流通・施工管理・維持管理までをBIMでつなぐ複数のサービスにより、各プレイヤーに合わせたサービスを提供します。設計・施工の手間・手戻りをなくし、生産・流通を最適化して、コスト削減と廃棄物・CO2削減に貢献します。
「BuildApp」は、建設サプライチェーンの抜本的な効率化と未来へ繋がる成長をサポートし、皆さまと一緒に建設業界をアップデートしていきます。
BuildAppの問合せ先
BuildApp WEB | https://build-app.jp/ | |||
お問い合わせ先 | フォーム入力 | https://build-app.jp/contact/ | ||
メール | info@build-app.jp | 電話 | 03-4535-1158 |
参考
- DfMA(Design For Manufacture and Assemblyの略)とは
製造、組立容易性設計を言い、製造容易性および組立容易性を考慮して設計することを指します。 - 在来工法とは
RC造(鉄筋コンクリート)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)、S造(鉄骨)などこれまで一般的に行われている建築工法を指します。 - BIM(ビム/Building Information Modelingの略称)とは
国土交通省によれば、コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築することです。 - モジュール建築とは
建築材料・家具などの規格化された組み立てユニットを用いた建築手法を言います。 - プレファブリケーション建築とは
あらかじめ部材を工場で生産・加工し、建築現場で加工を行わず組み立てる建築手法を言います。
関連リンク
資料
本件の問い合わせ先
お問い合わせ
【お客さまからのお問合せ先】
野原グループ株式会社
BuildApp事業統括本部リノベーションカンパニー(担当:熊澤)
TEL:03-3355-1760
E-Mail:enovation@nohara-inc.co.jp
【報道関係者からのお問合せ先】
野原グループ株式会社
マーケティング部 ブランドコミュニケーション課 (担当:森田・齋藤)
E-Mail:nhrpreso@nohara-inc.co.jp