【国交省BIMモデル事業に採択】鋼製建具のサプライチェーンにBIMを活用

2022年8月23日 リリース

建設業界をアップデートする弊社と野原産業エンジニアリング株式会社は、東亜建設工業株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長 早川毅)と共同で令和4年度 BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業に「鋼製建具生産サプライチェーンにおける生産性向上のためのBIM活用方法の検証」をテーマに応募し、同年7月に「パートナー事業者型」として採択されました。
野原ホールディングスおよび野原産業エンジニアリングは、スチールドアなどの鋼製建具メーカー及び専門工事会社の立場からBIMモデル活用による建具仕様決定プロセスのフロントローディングに対する課題や解決方法について、東亜建設工業とともに、2022年7月から以下の取組みを行います。(詳細は別紙1を参照)

実証概要

実証では、BIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp(ビルドアップ)」を用い、スチールドアなどの鋼製建具の見積、製作図、工場生産までのプロセスをBIMデータでつなぐ仕組みの構築・効果検証を行います。私たちは、サプライチェーン全体(施工者・専門工事会社・メーカー・工場など)の生産性向上を図ることを目指します。

■鋼製建具生産性向上を実現するための実証フロー

実証により目指すこと

【建設業界全体】

スチールドア等の鋼製建具のサプライチェーン全体(施工者・専門工事会社・メーカー・工場など)の生産性向上

【設計士向け】

将来的に、弊社提供のスチールドアBIMオブジェクトライブラリーとBuildApp建具プラットフォームの活用で、下記を期待

  1. スチールドアの性能及び意匠の各グレードと価格を考慮しながら仕様を決定
  2. 建設プロジェクトの全体予算とスチールドアの品質・性能、意匠性のバランスを取れる
  3. 上記により、施主との合意形成が円滑になる

【生産工場向け】

  1. 製造バラ図自動化により、スチールドアの施工図(姿図と断面図)からバラ図作成を担う「バラ図拾い技術者」の不足をカバー
  2. スチールドアの安定供給(生産平準化)
  3. 手作業から工業化への移行

【ゼネコン向け】

  1. スチールドア生産に必要な従来のフロー(スチールドア施工図の作図~図面打合せ~承認~手書きバラ図作成~製造)におけるBIMを活用した自動化による、建具の納期遅れの回避
  2. 建設プロジェクト全体の適正工期の確保(4週8閉所)
  3. 内装・建具分野のBIM普及と業務効率化

国土交通省 BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業への応募背景

野原ホールディングスと野原産業エンジニアリングは内装建具、東亜建設工業は建築施工の各業界の経験・知見をもとに、BIMなどのデジタル技術を活用して、業界が抱える以下の主要課題をサプライチェーン全体(施工者・専門工事会社・メーカー・工場など)で解決していく試みとして、本モデル事業に応募しました。

主な背景

  1. 建設プロジェクト内のスチールドア決定の迅速化、工場における安定供給体制構築の必要性
    繁忙期のスチールドア等の建具製作においては、承認製作図に基づくスチールドア製作工場の熟練工によるバラ図拾いに納期の三分の二を占める場合もあり、建設プロジェクトの円滑な進行のボトルネックになる懸念があります。
    しかし、生産工場数の減少やバラ図作成の担い手不足等により、将来、スチールドアの製造需要に供給が追い付かない場合も想定され、システム化が求められる領域でもあります。
  2. 国が主導するBIM推進の加速
    BIMデータを生産プロセスで活用できていない建材や工種は未だ多くあります。メーカーや工場がBIMデータを活用しやすい環境整備が、サプライチェーン全体でのBIM活用を後押しすると考えています。

BIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp」(ビルドアップ)とは

「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計積算、生産、流通、施工管理、維持管理の5つのプロセスごとに次工程との連携が容易になるサービス群を整備しています。BIMを起点としたデータが、設計から維持管理までの建設プロセス全体と関係者をつなぎます。

野原ホールディングスは、「BuildApp」をご利用いただくことで、「建設プロセスの断裂の解消とサプライチェーン変革」が実現できると考えています。(サービス群の詳細は、別紙2を参照願います。)
【WEB】https://build-app.jp/

参考

  • BIM(ビム/Building Information Modelingの略称)とは
    建築物のデジタルモデルに、部材やコストなど多様な属性データを追加した建築物のデータベースを持たせ、設計・施工・維持管理の各プロセスを横断して活用するためのソリューションです。
    野原グループでは、2017年よりBIM事業に注力しています。
  • スチールドアとは
    開き方や金具の組み合わせにより数えきれないほどの種類があります。オフィスや配送センター、工場、病院、集合住宅などの出入り口(開口部)や防火区間に設置が必要とされます。
    近年は、都内を中心に再開発計画が続いています。再開発計画には、商業施設やオフィスに住宅を加えた複合開発が大半を占めており、スチールドアの製造需要が高まりを見せています。
  • 国土交通省 BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業「パートナー事業者型」とは
    建築BIM推進会議と連携し、提言を行うため、自らの費用負担にて建築プロジェクトにBIMを導入し、生産性向上等の効果検証・課題分析等に試行的に取り組む事業です。

関連リンク

資料

本件に関する問合せ先

お問い合わせ

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野原ホールディングス株式会社
建設DX推進統括部
e-mail:info@build-app.jp

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経営企画本部DX推進部
e-mail:toa-webmaster@toa-const.co.jp
TEL:03-6757-3806

【報道関係者からの問合せ先】
野原ホールディングス株式会社
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東亜建設工業株式会社
経営企画本部経営企画部 広報室
e-mail:toa-webmaster@toa-const.co.jp
TEL:03-6757-3821