グループCEOが日本初開催の第10回ICCEPM(国際会議)に登壇しました

2024年9月4日 お知らせ
グループCEO 野原弘輔

2024年7月30日(火)、日本で初開催された「ICCEPM2024」(第10回ICCEPM建設エンジニアリングとプロジェクトマネジメントに関する国際会議)に野原グループ株式会社 代表取締役社長、グループCEOの野原弘輔が登壇しました。

「建設現場の痛みと、建設産業の持続可能性」と題し、日本の建設産業が抱える課題や、内装工事会社との商取引の実績から知り得た、内装仕上げ工事業の実態についての調査結果を発表。またBuildAppが目指す「データ連携による施工プロセスの革新(=工業化)」についても紹介しました。

今回は、登壇時の模様とスピーチ概要をお伝えいたします。

建設業界が抱える課題

建設産業は世界の二酸化炭素排出量の37%を占める環境負荷が高い産業であり、世界では環境問題が課題となっています。一方、国内建設産業においては、生産年齢人口の激減、経済規模の縮小により、産業従事者の人口が減少していることが大きな課題です。

国内建設産業の就業人口の推移と予測、そして働き方 

1.就業人口の推移と予測

建設産業従事者数の推移と予測は、ピークは1997年の685万人、現在は約490万人で4分の1が60代、20代以下は全体の12%以下であることから今後も減っり続け、そして2050年にはピーク時の半分の320万人になると政府から予測されています。

2.働き方

建設業は5年の猶予が終わり、今年の4月から時間外労働時間の上限規制が建設業にも適用されていますが、4週8閉所もまだ定着できておりません。 また、建設産業従事者の実労働時間は2000時間であり、全産業の平均労働時間よりも約300時間も長く、とても深刻な問題となっています。

国の働き方改革施策は進んでいるものの、建設産業内の働き方改革は「道半ば」であり、 そこには構造的な問題があると野原グループでは考えています。 

その際たるものは、建設産業の労働生産性の低さです。

建設産業の労働生産性の低さの要因 

労働生産性の低さの要因は、関わる人の数が多いためサプライチェーンが複雑であり、その複雑さにより情報が分断されている事と考えています。 
例えば、以下のような課題は、相互の情報不足が連絡の遅れに由来していると考え、更に国内建設産業には複雑な重層構造が残っていることも、情報伝達を困難にしている要因です。 

1.建設プロセスの課題

設計事務所とゼネコン間では設計と施工の不一致が発生。ゼネコンとサブコン間では施工図承認までに多くの時間を要し、専門工事会社では手戻りが多くあります。

2.流通の課題

  • 材料決定までのプロセスが煩雑で、仕様確定までに時間が掛かる割に受注に至らないケースも少なくありません。また、変更が多いので、計画生産ができないのも問題です。
  • 工程に合わせた建材手配が必要にも関わらず値決めが煩雑など、付加価値を生まない負荷が非常に多くあります。

建設現場の痛みを取り除き、持続可能な産業にするために

今後、建設産業の就業人口の激減を念頭におきつつ、建設産業の労働生産性の向上と国が進める働き方改革を両立させ、持続可能な形で産業を発展させていくためには、 今こそ、建設現場で工事を担う施工会社、建設現場の取りまとめを担う建設工事の元請企業(主にはゼネコン)など関係企業が一体となって、施工現場の生産性向上を実現していく必要があると考えます。 

「関係者が一体となった施工現場の生産性向上」にはデジタル活用・建設DXが不可欠であり、野原グループはBuildApp事業で、施工プロセスの生産性向上に寄与し続けてまいります。

登壇時の様子

BIM設計-製造-施工支援プラットフォーム「BuildApp」について ※登録商標取得済み

「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計事務所やゼネコンが作成したBIM設計データをより詳細なデータに置き換え、各建設工程で必要なデータとして利活用し建設工程全体の生産性向上を実現するクラウドサービスです。設計積算から製造・流通・施工管理・維持管理までをBIMでつなぐ複数のサービスにより、各プレイヤーに合わせたサービスを提供します。そして、設計・施工の手間・手戻りをなくし、製造・流通を最適化して、コスト削減と廃棄物・CO2削減に貢献します。
「BuildApp」は、建設サプライチェーンの抜本的な効率化と未来へ繋がる成長をサポートし、皆さまと一緒に建設業界をアップデートしていきます。

私たちがBuildAppで実現したいこと

  • BIM起点のデータで建設関係者を繋いで連携を生む
  • 工程の可視化や業務の自動化により業界内の無駄を解消する
  • DX による生産性向上や廃材・CO2排出量の削減を目指す建設企業とともに、サプライチェーン を変革し、「建設DXで、社会を変えていく」

BuildAppのお問い合わせ先

BuildApp WEBhttps://build-app.jp/
フォーム入力https://build-app.jp/contact/
電話03-4535-1158

参考

  • BIM(ビム)とは
    国土交通省によれば、「Building Information Modelling」の略称で、コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築することです。
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
    経済産業省の定義によれば「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」を指し、単なるデジタル活用とは区別されています。
  • サプライチェーンとは
    商品や製品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れのことをいいます。
  • 4週8閉所とは                                                                   建設現場における「週休2日制」の導入に関する取り組みで、4週間(28日間)のうち8日間を現場や現場事務所で作業がない状態とすることを指します。

関連リンク

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野原グループ株式会社
マーケティング部 ブランドコミュニケーション課(担当:森田・齋藤・萩谷)
E-Mail:nhrpreso@nohara-inc.co.jp