野原グループCEO 野原弘輔より 2023年の始まりに寄せて

2023年1月4日 企業情報,採用情報

生産性向上と環境負荷軽減が両立する次の時代の建設産業を目指して

■野原グループCEO 野原弘輔

1598年の創業、1947年の設立以来、私たちのDNAは、常に新しいものに取り組み、時代の変化を乗り越えるところにあります。

日本の建設産業は、この国の発展を大きく支える役割を担いました。その技術や品質は世界を見渡しても間違いなく最先端であり、そのことを私たちは心から誇りに思っています。

しかし、国内建設需要の縮小、労働者の高齢化等で、産業そのものが大きく縮小をする危機にあります。
また、地球環境を維持する取り組みにおいても、建設における廃材やCO2排出量の削減など、我々が解決しなければいけない課題が沢山あります。

建設業界では、BIMを使ったプロセスマネジメントが広がりつつあります。
これは、建物を情報で形作り、設計、生産、施工する際に、関係者が同じ図面・同じ情報を見ることを意図したものです。

デジタル技術と建設業界の課題解決

私は、BIMによる建設の次の利点を環境負荷軽減・脱炭素化にも生かせると考えています。

第一に、計画・設計段階でのシミュレーションや分析です。建築物が竣工して使われだした際のエネルギー使用量をシミュレーションしながら設計できます。建築物のオーナーのエネルギー負荷に関する意図をしっかりと汲んだ建設が可能になります。
BIMでは一つ一つの建築材料がモデル化され、建設工程全体でのCO2排出量を正確に可視化できます。建設全体の環境負荷を見据え、より負荷の低い材料や工法を検討しやすくなります。再生エネルギー関連設備も、設計段階からBIMモデルに組み込むことができれば、建物への再生エネルギー導入を加速できるのではないでしょうか。

第二に、BIMで人・モノ・工程が設計段階で最適化され現場での調整が減ります。プレファブやプレカットなど工場生産の工程を増やし、現場での廃材量を減らすことができます。施工ミス、やり直しによる人・モノの再手配が圧倒的に減少し、建設(物流を含む)起点のCO2排出量の削減も期待できます。

第三に、建物竣工後の運用においても、建設時のBIMモデルを活用できます。建物の維持管理や、運用の中での省エネ化、エネルギー収支量の可視化・BEMS(Building and Energy Management System/ビル・エネルギー管理システム)などが取り組みやすくなります。

「建設業界のアップデート」を実現するために

私たち野原グループは、「建設業界のアップデート」を実現するため、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)、BIMなどの先端技術を活用するBIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp(ビルドアップ)」を中心とした建設DX推進事業を展開しています。

BuildApp(ビルドアップ)は、建設に関わる各種データの横断的な利活用を促進し、データドリブン(情報駆動型)な建設プロセスを実現する「新たなプラットフォーム」です。可視化・集約化したデータ(情報)をもとに、建設プロジェクトの関係者をつなげ、廃材量やCO2排出量の削減、生産性向上を実現していきます。

2021年度から現在に至るまで、複数のゼネコンと共同実証を進めています。環境負荷軽減効果も具体的数値として確認しています。

野原グループは、役職員一同、デジタル技術・データ活用による建設プロセスの生産性向上と環境負荷軽減に挑み、「建設業界のアップデート」を実現します。
そして、この2023年を、次の時代の建設産業に向けて業界関係者の皆様や社会とともに強く歩みを進める、飛躍の年したいと考えています。

Link ideas. Build future.

ぜひ、私たちと一緒に、明るく楽しく持続可能な未来を創っていきましょう。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

関連リンク

参考

  • BIM(ビム/Building Information Modelingの略称)とは
    建築物のデジタルモデルに、部材やコストなど多様な属性データを追加した建築物のデータベースを持たせ、設計・施工・維持管理の各プロセスを横断して活用するためのソリューションです。
    野原グループでは、2017年よりBIM事業に注力しています。

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野原ホールディングス株式会社
マーケティング部ブランドコミュニケーション課
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